2026-01-30
(更新: 2026-08-15)
ワイン用語はこれだけ|ソムリエに好みが伝わる言い方と、覚えなくていい言葉
約5分で読めます
執筆・監修: 平沼柊哉(J.S.A.認定ワインエキスパート)
目次
ワイン用語は数百あります。ただ、ワインバーの会話で実際に使うのは10語ほどです。
必要なのは、店の人に好みを伝える言葉と、出てきたワインの感想を返す言葉。この2種類だけです。ソムリエ在籍店は掲載店に1,141件ありますが、こうした店ほど専門用語を要求しません。むしろ用語を並べる客より、「軽いのが好き」「これは重すぎた」と素直に言う客のほうが、次の一杯を当てやすいので歓迎されます。知識の量は関係ない。
味を表す6語
ボディ
口に入れたときの重さです。
| 言い方 | 味 | このあたりの品種 |
|---|---|---|
| ライトボディ | 軽い、さらっとしている | ピノ・ノワール、ガメイ |
| ミディアムボディ | 中程度 | メルロー、サンジョヴェーゼ |
| フルボディ | 重い、濃い | カベルネ・ソーヴィニヨン、ネッビオーロ |
3語のうちどれかを言えれば、赤ワインの候補は3分の1に絞れます。
タンニン
赤ワインの渋みです。ぶどうの皮と種に含まれる成分から来ます。
- 強い: 口の中がキュッと引き締まる感じ
- なめらか: 渋みが穏やか
- 溶け込んでいる: 熟成して渋みが全体に馴染んでいる
「渋いのは苦手」と言えば、タンニンの弱いものが出てきます。これは伝える価値の高い一言です。
酸味
爽やかさとキレを生みます。白ワインでは特に効く要素です。酸が高いと引き締まった味に、穏やかだと丸みのある味になります。「すっきりしたのを」と言えば酸の高いほうが出ます。
果実味
ぶどう由来のフルーティーさ。豊かだと親しみやすく、控えめだとミネラルや土の印象が前に出ます。
余韻(フィニッシュ)
飲み込んだあとに味が残る長さです。長いほど質が高いとされます。
ミネラル感
石や潮を思わせる、果実とは別の風味です。土壌に由来すると長く言われてきましたが、近年は発酵や熟成の過程で生まれる要素だという指摘もあり、何を指しているのかは専門家のあいだでも固まっていません。感じたら言っていい、くらいの言葉です。
造りを表す5語
テロワール
土壌・気候・標高・日照など、その土地の条件の総称です。
ヴィンテージ
ぶどうの収穫年。ラベルの「2020」は2020年に収穫したぶどうという意味です。
マセラシオン(醸し)
皮や種を果汁に漬け込む工程。赤の色とタンニンはここで出ます。白ぶどうでこれをやると、オレンジワインになります。
マロラクティック発酵
リンゴ酸を乳酸に変える発酵。ワインがまろやかになります。
デキャンタージュ
別の容器に移し替える作業です。空気に触れさせて香りを開かせる目的と、澱を取り除く目的があります。
店で使う言い方
好みを伝える
| こう言う | こう出てくる |
|---|---|
| 軽めのワインで | ライトボディ |
| 渋いのが好きです | タンニンの強い赤 |
| 甘くないものを | 辛口 |
| フルーティーなものを | 果実味の強いもの |
| すっきりした白を | 酸の高い白 |
| コクのある白を | 樽熟成のシャルドネなど |
もうひとつ効くのは予算です。「1,000円くらいまでで」と添えると、その範囲から出てきます。金額を言うのは失礼ではなく、外れを減らす一番確実な方法です。
感想を伝える
| こう言う | どう受け取られるか |
|---|---|
| 飲みやすいですね | 次はもう少し個性的なものが出てくる |
| これ好みです | 好みを覚えてもらえる |
| 余韻が長いですね | 慣れている客だと思われる |
| さっきのより重いですね | 比較ができている、と伝わる |
感想は「おいしい」だけだと次につながりません。軽い・重い・好き・苦手のどれかを添えると、2杯目が精度よく出てきます。
覚えなくていい言葉
次のあたりは知らなくても店で困りません。
- 還元的、酸化的
- フェノール類の重合
- pH値、残糖の具体的な数値
- 品種の交配の系譜
こういう語が出てきたら、その場で「それはどういう意味ですか」と聞けば済みます。ソムリエにとって説明は仕事の一部で、しかも自分が選んだワインに関心を持たれたということなので、聞かれて困るどころか話が長くなるくらいです。遠慮は要りません。
用語を使う場所
言葉は使わないと定着しません。1軒で数種類を飲み比べると、「軽い」「重い」が体感と結びつきます。グラスの種類数は掲載店の中央値が32種あるので、1回の来店で試す余地は十分あります。
- ソムリエに相談できる店
- エリアからワインバーを探す
- 選び方の順番から知りたいなら: ワインの選び方
- 初めての来店なら: 初めてのワインバー、いくらかかる?
よくある質問
Q. ワインの「ボディ」とは何?
A. 口に入れたときの重さ・濃さを指します。ライト(軽い)、ミディアム(中程度)、フル(重い)の3段階で言うのが普通です。アルコール度数、タンニン、果実味の濃さで決まります。「今日は軽めで」と伝えるときに使う言葉です。
Q. 「テロワール」とは何?
A. ワインの味に影響する土地の条件をまとめて指すフランス語です。土壌、気候、標高、日照などが含まれます。「テロワールが出ている」は、その土地らしさが味に表れている、という意味で使われます。
Q. ワイン用語は覚えないと店で困りますか?
A. 困りません。好みを言うのに必要なのは「軽め」「すっきり」程度の言葉で足ります。ソムリエ在籍店は掲載店に1,141件あり、こうした店では専門用語なしの注文が前提になっています。分からない言葉はその場で聞くほうが早いです。
この記事の執筆・監修
平沼柊哉
「こよいのワイン」の開発・運営者。2024年に一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)認定ワインエキスパートを取得。ワインエキスパートとしての知識をもとに、サイト内のブログ記事・コンテンツの執筆と監修を担当しています。
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