2026-02-15
(更新: 2026-10-12)
ナチュラルワインとは?オーガニックとの違い・味の傾向・店の探し方
約11分で読めます
執筆・監修: 平沼柊哉(J.S.A.認定ワインエキスパート)
目次
ナチュラルワインは、ぶどうの栽培から醸造まで人の介入をできるだけ抑えて造られるワインの総称です。「自然派ワイン」やフランス語の「ヴァン・ナチュール」とも呼ばれています。
主に有機栽培のぶどうを用い、野生酵母で発酵させ、酸化防止剤(亜硫酸塩)の添加や濾過を控えめにする造り方が代表的です。
ただし、「ナチュラルワイン」という言葉自体は国際的な一律の法的定義があるわけではありません。ぶどうの育て方から醸造のどの段階まで人の手を控えるかは、生産者ごとの哲学や土地の気候によって幅があります。エノテカの解説でも、栽培と醸造の両面からその多様なアプローチが紹介されています。

オーガニックとは重なる部分があるが、同じ意味ではない
「オーガニックワイン」と「ナチュラルワイン」は混同されやすいですが、着目している範囲が少し異なります。
オーガニック(有機)は、無農薬を意味するとは限らず、定められた認証基準に基づいてぶどうの栽培や製造工程が管理されていることを示します。一方、ナチュラルワインは原料ぶどうの栽培方法だけでなく、発酵に使う酵母や濾過の有無、瓶詰め時の添加物など、醸造工程全般でできる限り手を加えない姿勢を指すことが一般的です。
そのため、有機認証を受けていても培養酵母を使ってしっかりと清澄・濾過を行うワインもあれば、認証取得の手続きはしていなくても有機に近い栽培を行い、野生酵母・無濾過で仕上げるナチュラルワインもあります。
| 確かめたいこと | 確認するポイント |
|---|---|
| 有機栽培の基準を満たしているか | 各国の有機認証マーク(日本の有機JASなど) |
| どのように発酵・瓶詰めされているか | 生産者やインポーターによる酵母・濾過・添加物の説明 |
| 自分の味の好みに合いそうか | 果実味、酸味の強さ、濁りの有無などのテイスティングコメント |
日本国内で「有機」や「オーガニック」と表示して販売するためには、有機JAS制度の基準を満たす必要があります。表示の仕組みについては、農林水産省の有機食品の検査認証制度に詳細がまとめられています。
ナチュラルワインのなかにも、明確な基準を設けて消費者に伝えようとする試みがあります。フランスで設立されたVin Méthode Natureの公式基準では、有機認証を受けた手摘みぶどうの使用、自生酵母による発酵、添加物の制限などが定められています。
「酸化防止剤無添加」は、造り方の一部分を示す
「酸化防止剤無添加」と書かれていても、それだけでナチュラルワインとは判断できません。亜硫酸塩を加えていないことと、ぶどうの栽培方法や使った酵母は分けて確かめましょう。
たとえばメルシャンの公式解説では、亜硫酸塩無添加のワインにも、香味の特徴を引き出す2つのタイプの酵母を使うと説明しています。「無添加」という言葉だけで、発酵の進め方までわかるわけではありません。
無添加表示でわかること
- 「亜硫酸塩無添加」から読み取れること
- 亜硫酸塩を加えていない
- その表示だけではわからないこと
- ぶどうの栽培方法・使った酵母・亜硫酸塩の総量
また、亜硫酸塩は添加していなくても、発酵で自然に生じる場合があります。Vin Méthode Natureの公式基準でも、外から加えていない場合の自然な生成を認めています。同基準では、無添加と少量添加で表示を分けています。
これは一団体の基準で、すべてのナチュラルワインに共通するルールではありません。造り方を知りたいときは、無添加の表示に加えて、生産者や輸入元の栽培・発酵についての説明も確認してみてください。
造り方の違いと味の傾向
ワイン造りの現場では、目指すスタイルによって選択する工程が異なります。
| 項目 | 一般的なワインの一例 | 自然派ワインでよく見られる手法 |
|---|---|---|
| ぶどう栽培 | 慣行農法、減農薬など |
よくある質問
Q. 酸化防止剤無添加と書いてあればナチュラルワインですか?
A. その表示だけでは判断できません。亜硫酸塩を加えていないことと、ぶどうの栽培方法や発酵に使う酵母は別の確認事項です。また、添加していなくても発酵で亜硫酸塩が自然に生じる場合があり、含有量がゼロという意味ではありません。
Q. オレンジワインはすべてナチュラルワインですか?
A. すべてがナチュラルワインとは限りません。オレンジワインは白ぶどうの果皮や種を果汁とともに漬け込む製法に関わる名称で、ナチュラルワインは栽培や醸造の考え方を示します。色だけで判断せず、生産者や販売店の説明を確認しましょう。
Q. 自然派ワインと一般的なワインの違いは何ですか?
A. 有機栽培されたぶどうを使い、野生酵母で発酵させ、醸造時の酸化防止剤(亜硫酸塩)の添加や濾過などの人工的な介入をできるだけ抑えて造る傾向があります。世界共通の単一ルールがあるわけではなく、造り手ごとに細かな方針や手法は異なります。
Q. 自然派ワインが飲めるお店はどう探せばいいですか?
A. ワインバーやビストロの紹介文、黒板メニューで「自然派」「ナチュール」の取り扱いがあるか確認してみましょう。こよいのワインの検索機能でも、自然派ワインを扱うお店をエリアや利用シーンに合わせて絞り込めます。
Q. ワインが濁っていたり、開けたてに独特の香りがしたりするのは劣化ですか?
A. 濁りは無濾過で澱(おり)を残していることが多く、必ずしも劣化とは言えませんが、すべての濁りが正常とも限りません。開けたてに感じる温泉卵やマッチの燃えかすのような香りは「還元香」と呼ばれ、酸素に触れさせることで穏やかになる場合があります。気になる場合はお店のスタッフに相談してみましょう。
この記事の執筆・監修
平沼柊哉
「こよいのワイン」の開発・運営者。2024年に一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)認定ワインエキスパートを取得。ワインエキスパートとしての知識をもとに、サイト内のブログ記事・コンテンツの執筆と監修を担当しています。
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