2026-08-15
(更新: 2026-08-15)
日本のワインバーが最も扱う産地は「日本」だった|12,357件の実データ
約9分で読めます
執筆・監修: 平沼柊哉(J.S.A.認定ワインエキスパート)
目次
こよいのワインには12,357件の店が掲載されています。そのうち産地の登録がある店を数えると、いちばん多いのは日本でした。
714件。フランスの602件、イタリアの488件を上回ります。
「日本ワインが伸びている」という話はよく聞きますが、飲食店側の品揃えで見ても、すでに輸入ワインと並ぶ位置にあります。ただしこの714件の分布はかなり偏っていて、そこにこの記事の本題があります。
扱い産地の順位
| 産地 | 扱う店舗数 |
|---|---|
| 日本 | 714件 |
| フランス | 602件 |
| イタリア | 488件 |
| スペイン | 155件 |
| ドイツ | 81件 |
| アメリカ・カリフォルニア | 80件 |
| オーストラリア | 72件 |
| ニュージーランド | 53件 |
フランスは地方別の登録も多く、ブルゴーニュ・ボジョレー181件、ボルドー106件、シャンパーニュ86件を足すと国としての存在感はさらに大きくなります。それでも国名単位では日本が首位です。
東京では4.4%しかない
ここが面白いところです。これは大都市の現象ではありません。
県内の掲載店に占める比率を出すと、順位はこうなります。
| 都道府県 | 掲載店 | 日本ワイン扱い | 比率 |
|---|---|---|---|
| 山梨県 | 256件 | 91件 | 35.5% |
| 長野県 | 384件 | 72件 | 18.8% |
| 北海道 | 502件 | 57件 | 11.4% |
| 山形県 | 174件 | 19件 | 10.9% |
| 島根県 | 135件 | 14件 | 10.4% |
| 京都府 | 246件 | 22件 | 8.9% |
| 東京都 | 2,033件 | 90件 | 4.4% |
山梨県は3軒に1軒が日本ワインを扱っています。長野・北海道・山形が続き、いずれも国内の主要なワイン産地です。
いっぽう東京は件数こそ90件と山梨に迫りますが、母数が2,033件あるので比率では4.4%。47都道府県で24位、ちょうど真ん中です。東京で「日本ワインの店」に当たる確率は、山梨の8分の1ということになります。
産地の県ほど地元のワインを置く。当たり前のようですが、輸入ワインではこうはなりません。フランスワインを扱う店が特定の県に集中することはありません。産地と消費地が重なるのは、国産ならではの構図です。
47%がワインショップ業態
もうひとつの偏りは、店の業態です。
扱いのある714件のうち、ワインショップ・ワイナリー併設の業態が338件。**47.3%**にあたります。
| 対象 | ショップ業態の比率 |
|---|---|
| 日本ワインを扱う714件 | 47.3% |
| フランスワインを扱う602件 | 27.9% |
| 掲載12,357件の全体 | 9.0% |
全体平均の9.0%に対して5倍以上です。フランスワインの27.9%と比べても大きく上回ります。
つまり日本ワインは、腰を据えて飲ませる店より、売る店を通じて広がってきたということです。ワイナリーが直営のショップを持ち、そこで試飲して買って帰る。この形が中心にあります。
グラスで飲める店がないわけではありません。714件の内訳を見ると、ソムリエ在籍が96件、自然派も掲げる店が150件あります。グラスの最低価格は、登録がある59件の平均で752円。全国平均792円より安いくらいです。
ただ数の重心はショップ側にあります。ワインバーだけを見ていると、半分を見落とすことになる。
山梨 — 勝沼に集まる
91件の中心は甲州市、いわゆる勝沼です。
丸藤葡萄酒工業(ルバイヤートワイン)は評価4.5・口コミ152件のワイナリー。98winesワイナリーは4.6・130件。
勝沼 ぶどうの丘 地下ワインカーヴは、地下のカーヴで県内のワインをまとめて試せる施設。1軒ずつ回る時間がない日に、産地の全体像を掴むには効率がいい場所です。勝沼ワイナリーマーケット 新田商店は4.6・211件で、こちらは町の酒屋の側から日本ワインを扱っています。
食事と合わせたいなら、甲州市のBISTRO Mille Printempsはソムリエ在籍のビストロで評価4.3・245件。山中湖村の日本ワイン 凛花は店名がそのまま日本ワインです。
山梨県のワインバー一覧から、ショップ併設の店やソムリエ在籍店に絞り込めます。
長野 — ワイナリーが県内に散る
長野の72件は、山梨のように1か所へ集中しません。県が広く、産地も千曲川・桔梗ヶ原・日本アルプスと分かれているためです。
飯綱町のサンクゼール・ワイナリー本店は口コミ499件と、日本ワイン関連では掲載中でも屈指の規模。小諸市のマンズワイン 小諸ワイナリー、安曇野市の安曇野ワイナリーも、それぞれ300件超の口コミがあります。
観光と組み合わせやすいのが長野の特徴です。長野県のワインバー一覧で位置関係を見てから回る順番を決めるほうが効率が上がります。
北海道 — 余市・函館・ニセコ
北海道の57件は、道内でも性格が分かれます。
余市はぶどうの産地側です。中根酒店のように、酒屋が地元のワインを扱う形が残っています。小樽のオサワイナリーはソムリエ在籍の小規模ワイナリー。
函館は飲ませる側が厚い。北海道のワインと日本酒BAR 函館魚販は道産ワインと日本酒を並べるバーで、評価4.5・107件です。ニセコのカーヴ ド バンブーは評価4.7。
北海道のワインバー一覧から探せます。
東京で日本ワインを飲むなら
比率は4.4%と低いのですが、90件という絶対数はあります。狙い方が違うだけです。
都市型ワイナリーという業態が効きます。江東区の清澄白河フジマル醸造所は醸造所とレストランとショップを兼ねていて、東京で造ったワインをその場で飲めます。同じ系列のWINESHOP & DINER FUJIMARU 浅草橋店も、飲んで買える形です。
杉並区の葡庵、渋谷区の恵比寿ビストロ 猫も杓子ものように、飲食店側で日本ワインを軸にする店もあります。
探し方としては、ワインショップ併設の店から入るのが早い。上で見たとおり、日本ワインの重心はショップ業態にあるからです。
日本ワインは「産地で買う」酒だった
3つの数字がひとつの絵になります。扱い産地の1位が日本714件。県内比率のトップが山梨35.5%で東京は4.4%。そして47.3%がショップ業態。
この酒は、都市のワインバーで飲む文化としてではなく、産地で試して買って帰る文化として広がってきました。だから産地の県に集中し、ショップ業態に偏る。
裏を返せば、都市で日本ワインを探すときは検索の仕方を変えたほうがいい。ワインバーではなく、ショップ併設の店から入る。産地へ行くなら、勝沼のように1か所へ集まっている場所を選ぶ。
- ワインショップ併設の店を探す
- 山梨県・長野県・北海道のワインバー
- エリアからワインバーを探す
- 選び方から知りたいなら: ワインの選び方は「好みの言語化」から
よくある質問
Q. 日本の飲食店がいちばん多く扱っているワイン産地はどこですか?
A. 日本です。掲載12,357件のうち産地の登録がある店を数えると、日本が714件でフランス602件・イタリア488件を上回ります。日本ワインはすでに輸入ワインと並ぶ選択肢になっています。
Q. 日本ワインが飲める店はどこに多いですか?
A. 産地の県に集中しています。県内の店に占める比率は山梨県が35.5%(256件中91件)で突出し、長野県18.8%、北海道11.4%、山形県10.9%と続きます。東京都は件数では90件と多いものの、2,033件に対して4.4%にとどまります。
Q. 日本ワインはワインバーで飲めますか?
A. 飲めますが、扱いの中心はワインショップやワイナリー併設の店です。日本ワインを扱う714件のうち47.3%がショップ業態で、全掲載店の平均9.0%を大きく上回ります。買って帰れる店を探すほうが選択肢は広がります。
この記事の執筆・監修
平沼柊哉
「こよいのワイン」の開発・運営者。2024年に一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)認定ワインエキスパートを取得。ワインエキスパートとしての知識をもとに、サイト内のブログ記事・コンテンツの執筆と監修を担当しています。
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